フォックスファイヤー『ハイドロマスター』レビュー|使用感と特徴

タックルレビュー

ハイドロマスターは、決して安いレインウェアではない。

自分も購入するときはかなり迷った。

それでも買ったのは、雨の中でも濡れないことと、長く使える耐久性が欲しかったからだ。

ボートの雨対策だけを考えれば、ウェーダーを履くという選択肢もある。

実際、ボート釣りでウェーダーを履いている人もいる。

ただ、自分はこの方法には少し不安があった。

ボートから落水した場合、ウェーダーの中に水が入れば、身動きが取りにくくなる可能性がある。

雨を防ぐためだけに、落水時のリスクを増やすのはどうなのか。

そう考えると、自分はボートの上では「釣り用の防水ウェア」として作られたものを使ったほうがいいと思った。

そこで選んだのがハイドロマスターだった。

そして2023年に購入してから、銀山湖や中禅寺湖を中心としたボートフィッシングで使い続けてきた。

ハイドロマスターは、もともとバスフィッシング、特にボートでの使用を意識して作られたレインウェアだ。

自分はバス釣りではなく、トラウトのボートフィッシングで使っている。

ボートで100km/h近い速度を出すような釣りとは無縁だが、雨の中でボートに乗るという点では共通している。

今回は、実際に使って感じた良かったところだけでなく、不満だったところや、新型を選ぶならどこを見るべきかまで書いてみたい。

高かった。でも、濡れないレインが欲しかった

ハイドロマスターを買う前も、もちろんレインウェアは使っていた。

ただ、普通のパンツタイプのレインウェアには大きな不満があった。

背中が濡れる。

これは特にレイクトローリングで問題になった。

レイクトローリングは、ボートのシートに座ったまま釣りをする時間が長い。

キャストして立ったり、歩き回ったりする釣りとは違い、基本的には座りっぱなしだ。

雨の中で座っていると、ジャケットの裾が上がって背中側に隙間ができる。

そこから雨が入ってくる。

立っているときなら気にならない程度の隙間でも、長時間座ったまま雨に打たれていると、じわじわと濡れてくる。

だからレイクトローリングでは、個人的にビブタイプのレインウェアはかなり重要だと思っている。

そこで最初は、ゴアテックスではなくメーカーオリジナルの透湿素材を使ったビブを買った。

さらに、中綿入りの防水ビブも使ってみた。

しかし、どちらも最終的には満足できなかった。

メーカーオリジナルの透湿素材は、最初は悪くなかったものの、長く使うことを考えると耐久性に少し不安があった。

中綿入りのビブについては、実際に浸水してきた。

修理して使おうとも考えたが、中綿が入っているため簡単には修理できない。

そこで、

「もう少し高くてもいいから、ちゃんとしたものを買おう」

となった。

ゴアテックスの耐久性については、それまでの経験から信頼していた。

そして選んだのがハイドロマスターだった。

初めて着て感じた「ボート用レインウェア」

初めてハイドロマスターを着たときに感じたのは、

これはボートでの釣りをかなり意識して作っているな

ということだった。

メーカーがバスボートでの高速移動まで想定して作っているだけあって、普通のレインウェアとは少し方向性が違う。

もちろん、自分がそんな速度で釣りをするわけではない。

自分はトラウトがメイン。

ボートに乗ったとしても、せいぜい20km/h程度だ。

だから最初は、

「100km/hなんて自分には関係ないだろ」

くらいに思っていた。

ところが、実際に使ってみると、この「オーバースペック」に感じた部分が非常に良かった。

銀山湖の解禁日で、その実力を実感

ハイドロマスターの性能を強く実感したのは、銀山湖だった。

銀山湖の解禁日は、だいたい天気が悪い。

しかも湖が広い。

ボートでの移動距離も長い。

陸上なら雨が降ってきたら車に戻るとか、建物に入るとか、どこかで雨宿りすることもできる。

でも、湖の上にはそれがない。

雨が降ってきても、そのまま走らなければならない。

そんな状況で効いたのが、大型のチンガードだった。

雨の中をボートで移動すると、速度がそれほど出ていなくても雨が正面から叩きつけてくる。

その雨をチンガードがしっかり受けてくれる。

これはかなり快適だった。

そして何より、

土砂降りでも濡れない。

防水性能が高いと言われても、実際に使ってみなければ分からない。

でも、雨の銀山湖で長時間ボートに乗っていても、濡れずに済んだ。

自分にとっては、それがハイドロマスターの評価を決定づける出来事だった。

大型チンガードは、普段はちょっと邪魔

もちろん、何でも完璧というわけではない。

大型のチンガードは、雨が降っていないときには正直ちょっと邪魔だ。

ただ、使わないときはマジックテープ同士をくっつけておけば、それほど気にならない。

そして雨が降ってきたら、その存在価値が一気に上がる。

「普段はちょっと邪魔。でも必要なときにはものすごく役に立つ」

そんな装備だと思う。

フードに帽子のつばを固定できるのも良い

もう一つ気に入っているのが、フードに帽子のつばを固定できるところ。

普通のキャップをかぶってレインジャケットのフードをかぶると、帽子のつばとフードの間に隙間ができる。

そこから雨が入って、帽子そのものが濡れる。

そして帽子が濡れれば、その下の髪も濡れる。

構造上、ある程度は仕方のないことだと思う。

ところが、ハイドロマスターは帽子のつばをフード内部に固定できる。

これによって帽子とフードが一体化するので、雨の侵入をかなり防げる。

これも、実際に雨の中でボートに乗ることを考えて作られているなと感じる部分だ。

ジャケットとビブをセットで着るとカッコいい

機能の話ばかりしてきたが、個人的にはもう一つ気に入っているところがある。

セットアップで着るとカッコいい。

これは結構大事だと思う。

どれだけ性能が良くても、着たくならないウェアでは困る。

ハイドロマスターはジャケットとビブをセットで着たときのまとまりが良く、いかにも「釣り用のハイスペックウェア」という雰囲気がある。

こういうところも、実際には長く使ううえで大事だったりする。

ビブはボート釣りとの相性がいい

レイクトローリングの話にもつながるが、ビブはボート釣りとの相性がいい。

ボートでは座ったり立ったりを繰り返す。

そのため、膝やお尻に補強が入っているのはありがたい。

雨を防ぐだけではなく、ボートの上で使うウェアとしての耐久性も考えられている。

また、フロントジップで伸縮性もあるため、トイレもそれほど困らない。

レインビブというと、着脱やトイレが面倒そうなイメージがあるが、実際に使っていてそこは大きな不満にはならなかった。

ポケットは完全防水にしてほしかった

不満点もある。

一つはポケット。

個人的には、完全防水のポケットが一つくらいあっても良かったのではないかと思っている。

雨の中で釣りをする以上、スマートフォンや車のキーなど、濡らしたくないものを確実に収納できる場所があると安心できる。

袖口について気になったところ

袖口のダブルカフス自体は防水性を高めるにはいいと思う。

ただ、個人的な好みを言えば、シムスのように内側のカフ側にもマジックテープがあると、さらに使いやすかったかなと思う。

これは大きな不満というほどではない。

3年間使って、耐久性はどうだったか

2023年に購入してから、ボート釣りに行くたびに使ってきた。

主なフィールドは中禅寺湖や銀山湖。

シーズン中はかなりの頻度で使った。

さらに東京湾の秋のボートシーバスでも使用している。

シーバスがウェアに触れることもあるし、海水の影響もある。

だから、汚れたらそのままにせず、普通に洗濯している。

GORE-TEXも、汚れを落とすための定期的な洗濯を機能維持のためにすすめている。

自分のハイドロマスターも、こうして普通に洗濯しながら3年間使ってきたが、現在まで特に問題はない。

防水性能にも、今のところ不満はない。

これはかなり満足しているところだ。

マジックテープは傷んだ。でも修理できた

もちろん、3年間これだけ使えば消耗する部分もある。

ビブの裾にあるマジックテープは、接着部分が剥がれてきた。

ただ、メーカーに修理を依頼したところ、きれいに直してもらえた。

そして現在も問題なく使えている。

個人的には、この点もハイドロマスターの評価につながっている。

「3年間使って一切壊れなかった」という話ではない。

使えば傷む部分はある。

でも、傷んだ部分をメーカーで修理して、また使える状態に戻せた。

長く使うレインウェアとして考えれば、これは大きいと思う。

修理後

重さはある。でも、それほど気にならなかった

ハイドロマスターは軽量なレインウェアではない。

着ていて「軽いな」と思うウェアではない。

ただ、3年間使ってきて、重さが大きな不満になったことはない。

そもそも自分がハイドロマスターに求めていたのは、軽さよりも、

「雨の中で濡れないこと」

だったからだ。

多少重くても、土砂降りの中で濡れずに釣りができる。

自分にとっては、そのメリットのほうが大きかった。

サイズ感には注意したい

サイズ感についても触れておきたい。

自分は身長180cm細身体型でMサイズを使用している。

ジャケット、ビブともにMサイズで、実際の釣りでは特に問題なく使えている。

中にダウンを着込んでも窮屈さは感じないので、寒い時期のボートフィッシングでもこのサイズで問題なかった。

一方で、現行モデルもMサイズが最小なので、体格によっては大きく感じる人もいると思う。

実際、同じものを使っている友人からも、Mサイズは少し大きく感じるという話を聞いた。

レインウェアなので、多少ゆったりしていること自体は悪くない。

中に防寒着を着込むこともあるし、ボートフィッシングでは動きやすさを考えて多少の余裕があるほうがいい。

ただ、サイズ感は体型によって印象が変わるところなので、できれば実際に試着してから選んだほうがいいと思う。

ハイドロマスターは決して安いウェアではないので、購入後に「思ったより大きかった」となるのは避けたいところだ。

自分の場合は、Mサイズで防寒着を着込む余裕もあり、今のところサイズに不満はない。

2026年モデルを選ぶなら、旧型ユーザーとして気になるところ

ハイドロマスターは新型が発売された。

そこで、旧型を3年間使ってきた自分から見て、新型を選ぶ際に気になるところを書いておきたい。

正直に言うと、新型を見て「まったく別物になった」という印象はない。

ハイドロマスターの基本的な考え方は変わっていないと思う。

雨の中でのボート移動を想定した防水性能。

大型のチンガード。

帽子のつばをフードに固定できる構造。

ボートの上で使いやすいビブ。

そして、膝やお尻など、釣りで負荷がかかる部分への配慮。

このあたりは、旧型を3年間使ってきた身としても「ここはハイドロマスターの良さだな」と感じていた部分だ。

そのうえで新型は、軽量化や細部の見直しが入っている。

旧型の重さが特別気になっていたわけではないが、同じような防水性能を維持しながら軽くなるのであれば、素晴らしい進化だと思う。

特に、これから購入する人にとっては、軽量化は分かりやすいメリットだと思う。

一方で、旧型から大きく方向性が変わったわけではない。

だから「新型だから劇的に快適になる」というより、これまでのハイドロマスターの良さを残しながら、細かな部分をブラッシュアップしたモデルと考えるのが近いと思う。

自分なら、新型を選ぶときには、まず「ハイドロマスターそのものが自分の釣りに合っているか」を考える。

雨の中でも釣りをしたい。

ボートでの移動が多い。

レイクトローリングのように、長時間座った状態で雨に打たれる。

そんな釣りをするのであれば、ハイドロマスターの防水性能やビブのメリットはかなり大きい。

そのうえで、旧型にはなかった軽量化や細かな改良が入っている。

3年間使ってきた自分からすると、新型は「ハイドロマスターの良さを残したまま、より使いやすくなったモデル」という印象だ。

どんな人にハイドロマスターをすすめるか

3年間使ってきて思うのは、ハイドロマスターは万人向けのレインウェアではないということ。

雨の日に釣りをしない人なら、ここまでの性能は必要ないと思う。

むしろ、チンガードなどが邪魔に感じるかもしれない。

一方で、銀山湖では、ハイドロマスターを着ている人を見かけることが結構ある。

メーカーがボートでの使用を想定して作っているというだけでなく、実際の釣り場でも選ばれているレインウェアなのだと思う。

特に、

  • 銀山湖のように広い湖をボートで長距離移動する
  • レイクトローリングをする
  • 雨でも釣りを諦めない
  • 雨の中でもボートを走らせる
  • 防水性能だけではなく、長く使える耐久性も重視する

こういう人には、かなり相性がいいと思う。

特に銀山湖のようなフィールドでは、雨が降ってきたからといって簡単に釣りを中断できない。

ボートで長距離を移動しなければならない。

そんなときに、

「雨が降っているけど、ハイドロマスターを着ているから大丈夫」

と思えるのは大きい。

秋から冬の東京湾のボートシーバスにも使える。

中禅寺湖のように比較的涼しいフィールドなら、シーズンを通して活躍してくれると思う。

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