釣りには、どうしても「釣果に直結する道具」と「釣果には直結しないけれど、なくてはならない道具」がある。
フローティングベストは、その後者だと思っている。
魚を釣るための道具ではない。
それでも、湖や本流でウェーディングをするなら、ロッドやリールと同じくらい真剣に選びたい装備だ。
今回紹介するのは、パズデザインの「FTGストリームベストⅡ」。
2020年に購入してから、鬼怒川本流、中禅寺湖、涸沼などで使用してきた。
使用期間は5年以上。
3月から12月まで、ほぼ毎釣行で出番がある。
ここまで使い込んだからこそ分かることもある。
今回は、そんな長期使用で感じたFTGストリームベストⅡについて、率直に書いてみたい。
FTGストリームベストⅡを選んだ理由は「安全」


このベストを選んだ一番の理由は、安全面だった。
自分が通う中禅寺湖には一歩滑れば足がつかない水深に落ちる場所がある。
鬼怒川本流も同じだ。
ほんの少し足を滑らせただけで、流れに持っていかれる可能性がある。
ウェーディングという釣りは、魚との距離を縮められる反面、自分自身も水に近づく釣りだ。
だからこそ、「自分は大丈夫」という根拠のない自信は持たないようにしている。
フローティングベストは、何かが起きてから必要になるものではない。
何も起きないために着ておくもの。
自分にとってFTGストリームベストⅡは、最初から「保険」として選んだベストだった。
ビーズフロートが生む、自然なフィット感

実際に使ってみて気に入ったのが、浮力材に採用されているビーズフロートによるフィット感だ。
身体に沿うような感覚があり、ベストを着ていることによる圧迫感が少ない。
そして、もうひとつ使いやすいのが固定方法。
又紐がなく、ウエスト部分をバックルで固定するタイプなので、着脱がとにかく楽だ。
釣り場に着いて、ベストを着る。
帰るときに脱ぐ。
その何気ない動作がストレスなくできる。
こういう部分は、数回使っただけでは分かりにくい。
しかし、年間を通して何度も使っていると、確実に効いてくる。
米代川遠征で感じた「安心」という価値

このベストを着ていて印象に残っているのが、米代川への遠征だ。
米代川は流れも強く、立ち込んで釣りをするにはそれなりの注意が必要な川。
自分が遠征したときも、実際に流された人がいたらしく、警察が捜索していた。
そんな状況を目の当たりにすると、改めて水の怖さを感じる。
もちろん、フローティングベストを着ているからといって安全が保証されるわけではない。
それでも、そういう場所で立ち込んで釣りをする際に、FTGストリームベストⅡを着ていることは、少し安心材料になった。
「もし流されたら」という可能性を考えたとき、何も着けていないよりは、きちんと備えているという安心感がある。
幸い、今までこのベストに命を助けられたことはない。
でも、それでいいと思っている。
フローティングベストは、実際に事故に遭ってから必要になるものではなく、事故に遭わないための保険として着けておくもの。
危険のある場所で釣りをするなら、その安心感は大きい。
5年以上使って分かった、かなり高い耐久性

FTGストリームベストⅡを語るうえで、個人的にかなり評価しているのが耐久性だ。
2020年に購入してから、鬼怒川本流、中禅寺湖、涸沼などでかなりの頻度で使ってきた。
表面の生地は今でも問題なく、耐久性はかなり高いと感じている。
内側のメッシュ素材は一部破れたところがあるものの、補修して現在も問題なく使用できている。
裁縫もしっかりしていて、力のかかる背中のD管部分の裁縫も今のところ問題ない。
5年以上使ってきたことを考えても、耐久性についてはかなり満足している。

収納は「必要なものは全部入る」

収納面も実用的だ。
普段の釣りで必要になるものは、基本的にすべて収めることができる。
トラウトだけではなく、シーバスでも使っているが、シーバスでよく使う幅広のメジャーも収納可能。
さらに自分の場合は、ポーチなどのアクセサリーを後付けしている。
このベストは、こうしたアクセサリー類との相性もいい。
必要なものを自分のスタイルに合わせて追加していく。
機能だけではなく、装備を組み上げていく楽しさもある。
ポーチなどを付けた姿も個人的にはかなり気に入っている。
大型ルアーケースは少し窮屈

もちろん、完璧というわけではない。
山田化学タフケースW210使用しているが、このルアーケースがチャックがギリギリ閉まる厚さ。
ただ、自分としては許容範囲。
必要なものを厳選して収納すれば、実釣で困るほどではない。
むしろ、後付けのポーチなどを上手く使って収納を分散させることで、自分にとって使いやすい形にできる。
トラウトだけじゃない。シーバスでも普通に使える


FTGストリームベストⅡは、デザインを見るとややトラウト寄りの印象がある。
ただ、実際にはシーバスでも十分使える。
自分も涸沼などでシーバスに使用している。
幅広のメジャーを収納できるし、ランディングネットも背中に挿すことができる。
「トラウト用だからトラウトだけ」というベストではない。
ウェーディングを伴う釣りなら、シーバスを含めて幅広く使える。

唯一、はっきり感じる弱点は「暑さ」
長く使ってきて、気になるところを一つ挙げるなら、やっぱり暑さだ。
真夏の渓流では、正直「必要ないかもしれない」と感じることがある。
水量が少なく、深く立ち込む必要もない状況なら、フローティングベストを着ていることによる暑さのほうが気になる。
これはFTGストリームベストⅡに限った話ではなく、浮力体を備えたベストである以上、ある程度仕方のない部分だと思う。
だからこそ、自分の場合は釣り場によって必要性を判断している。
浅い渓流なら必要性は低い。
一方で、足を滑らせれば一気に深みに落ちる湖や、流れのある本流では話が違う。
「釣れない道具」だからこそ、ちゃんと選びたい
フローティングベストを着ているからといって、魚が釣れるわけではない。
ロッドのようにキャスト性能が上がるわけでもない。
ルアーのように魚を誘うわけでもない。
それでも、危険のある場所で釣りをするなら、これほど重要な装備はないと思っている。
幸い、自分は今までFTGストリームベストⅡに命を助けられたことはない。
使う機会がないまま終わることが、一番いい。
だからこそ、フローティングベストは「実際に役に立ったか」だけで評価するものではないと思う。
何も起きなかった釣行を、何も起きないまま終わらせる。
そのための保険だ。
5年以上使って、それでもまた選ぶ
2020年から使い続けてきたFTGストリームベストⅡ。
表面の生地は今も問題なく、裁縫や背中のD管も健在。
ビーズフロートによるフィット感もよく、バックル式で着脱も楽。
収納も十分で、アクセサリーによる拡張性もある。
トラウトだけでなく、シーバスにも使える。
もちろん、真夏は暑い。
大型ルアーケースを入れると少し窮屈になる。
それでも、自分がもう一度フローティングベストを選ぶなら、やはりこのベストを選ぶと思う。
理由は単純だ。
トラウトフィッシングでも使えるデザイン。
そして、
「危険な場所で釣りをするなら、安全のためにフローティングベストを着ける」というコンセプトに共感できるから。
釣りは、楽しい。
だからこそ、長く続けたい。
中禅寺湖でも、鬼怒川本流でも、遠征先の河川でも。
水に立ち込むなら、その場所にある危険も受け入れたうえで、できる限りの備えをしておきたい。
FTGストリームベストⅡは、自分にとって単なる釣り用ベストではない。
「もしも」に備えながら、思い切り釣りを楽しむための装備。
5年以上使ってきた今でも、そう思っている。


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